くりっく株365でCFD取引をやってみよう




 こんばんは、おーたむです。

 以前にCFD取引ではレバレッジをかけて効率的に資金を運用することができると書きました。おさらいとなりますが、CFDとはFXの株版のようなもので、少ない資金であたかも多くの資金を運用しているかの効果を得ることができます。

 CFD取引は様々な会社が提供していますが、ここでは「くりっく株365」というサービスについて見ていきましょう。SBI証券に口座を持っている人は、新たに証券口座を開設することなく、このサービスを開始することができます(SBI証券のホームページでCFDの項目からアクセスできます)。

くりっく株365


 どういったサービスかホームページから引用すると、

くりっく株365とは東京金融取引所に上場する株価指数証拠金取引の愛称です。

 と記載があります。

 くりっく株365では、日経平均、NYダウ、DAX、FTSE100というインデックスへの投資ができます。
 インデックスへの投資ができるので、単純に考えれば日経平均やNYダウの投資信託またはETFを買うようなものだと思ってもらって構いません。くりっく株365ではレバレッジをかけなければ(レバレッジ1倍)、資金効率はよくなりませんが、いわゆる借金を背負わずにインデックス投資をすることができます。
 おさらいとなりますが、日経平均は日本を代表する企業225社で構成されたインデックスで、NYダウはアメリカを代表する企業30社で構成されたインデックスです。DAXはそのドイツ企業版、FTSE100はイギリス企業版だと思ってもらえれば分かりやすいかと思います。今回の記事で投資対象とするのはFTSE100です。

 さて、CFD取引では売りポジションを持つことができるということについて知っていただきたいと思います。
  通常私達がVTやVTIといったインデックス投資を行うと、株価が上昇したときに利益を得ることができます。しかし、株価が下がったときに利益を得る方法もあり、個別株では空売りをする、ETFではインバース型(ベア型)ETFを購入すると言った方法でそれを実現することができます。
 前回の記事で、S&P500の3倍の動きをするSPXLというETFの話をしましたが、SPXLと全く正反対に動くSPXSというETFもあります。SPXSはもちろんインバース型ETFの一種です。正反対とはどういうことかというと、SPXLが増えているときはそれと同じ分だけSPXSは下がるということです(逆も然り)。したがって、S&P500が大暴落した日には、SPXLはその3倍の勢いで暴落する一方で、SPXSではすさまじい利益を得ることができるのです。ちなみにSPXSはベア型、SPXLはブル型といった呼び方もします。

 CFD取引では、株価が上昇したときに利益を得たいと思った場合、買いポジションを取り、株価が下がったときに利益を得たいと思った場合、売りポジションを取ることでそれを実現することができます。
 買いポジションを取った場合、配当相当額をリターンとして定期的に得ることができます。文字通り通常のETFでいうところの配当金に相当するものです。一方で、例えばNYダウに投資すると、アメリカの外貨金利相当を支払う必要があります。売りポジションではこの反対で、金利相当額を受け取り、配当相当額を支払います。

具体的な戦略


 シンプルにまとめると、

FTSE100は、配当相当額が大きく、金利相当額が小さい

FTSE100を買いポジションで長期保有する

配当相当額-金利相当額分が利益となる(インカムゲイン)

レバレッジを3倍程度かけて、ロスカットを避けつつ3×(配当相当額-金利相当額)をリターンとして受け取る

あわよくばFTSE100の値上がりによる利益(キャピタルゲイン)も狙う

 となります。

 各4つのインデックスの、過去の配当相当額、金利相当額がこちらにまとまっています。
 このFTSE100の2018年の項目を見ると、10月31日時点で、

 748,000円の投資により、配当相当額26,861円を得、金利相当額6,677円を支払ったことになっています。配当相当額-金利相当額は20,184円で、これが純粋な利益となります。1年間(12ヶ月)のうち10ヶ月での実績なので12ヶ月に補正すると、年間の利益は24,220円と推測されます。したがって748,000円で割ると年利3.24%となります。FTSE100の株価が全く変化しなくてもこれだけの利益を得ることが可能なわけです。

 さてここでレバレッジを3倍程度かけてみましょう。つまり、25万円で748,000円分の取引をすればレバレッジは約3倍となります。25万円のみで先ほどの年間利益24,220円を手に入れた場合、年利9.69%となります。株価の上がり下がりを関係なしにこれだけの利益を得ることができるのですが、魅力的と思いませんか?

注意点


 これだけ聞くと普通の投資信託を買ったりするのがバカらしく感じられるかもしれませんが、もちろんいくつか注意点があるので気をつけなくてはなりません。

 1つは、購入単価が高いことです。
 くりっく株365では、投資信託のように100円から購入することはできません。株価指数の100倍が最小購入単位(これを1枚と表現します)です。例えば、日経平均が2万円だとすると、その100倍である200万円がレバレッジなし(レバレッジ1倍相当)で買える最小の金額です。個別株で1単元100株からしか買えないのに似ていますね。もちろんレバレッジ3倍にする場合には、その3分の1相当の証拠金があればいいので70万円程度から購入できますがそれでも高いです。
 NYダウやDAX、FTSE100も同様で、株価指数×100円が最小購入単位です。NYダウが2万ドルだとすると、やはりレバレッジ1倍にするには同様に200万円必要となります。気付いた人もいると思いますが、日経平均が2万”円”、NYダウが2万”ドル”(約200万円)と通貨単位が違うのに、最小購入単位はその株価指数×100”円”となっています。これはくりっく株365では、為替リスクを証券会社(マーケットメイカー)が背負ってくれていることを意味しています。詳しくはこちらをご覧ください。ちなみに厳密には、NYダウの株価指数の単位は”ドル”ではなく”ポイント”ですが、細かいことなので気にしなくて結構です。
 DAXの指数は約1万、FTSE100の指数は約7,000であることに気付くと、FTSE100が最も購入しやすいことが分かるかと思います。これもFTSE100を推奨した理由です。

 確定申告が必要となることもデメリットです。
 CFDは株式取引とは別物で、特定口座を利用することができず確定申告が必要となります。株式と別物なので、株で損をしてCFDで儲けたからといって利益を相殺し節税することもできません。FXとは同種とみなされるのでこちらとは損益通算をすることができます。
 確定申告は利益を確定したときに必要となります。幸い、配当金の受け取りによる利益は、それを確定するまでは課税の対象とならないため、ただ、買いポジションを取り続ける限りは確定申告はしなくて済みます。これはメリットでもあり、ETFの配当金には課税されてしまう分、複利効果が弱まってしまいますが、CFDの配当相当額は、買いポジションをやめる(決済する)まで課税されないので、配当相当額すべてを次の買いポジション購入費用に充てることができます。

 最後に、レバレッジをかけすぎるとロスカットリスクがあります。
 前回の記事にも書いたように、証拠金が0になるとロスカットとなります。 正確に言うとこれは誤りで、実際は、毎週証拠金基準額というのが公表されており、SBI証券の場合、証拠金がこの証拠金基準額の70%を切るとロスカットされます。証拠金基準額が26,000円の場合、証拠金が18,200円を下回るとロスカットとなります。

 証拠金=現金で預けた証拠金+配当相当額+損益(購入時と比較した株価の変化)-金利相当額
 これが証拠金基準額×70%を下回らないように注意が必要です。

 なぜ今回レバレッジを3倍程度にしたかというと、リーマンショック級の暴落相場が来ない限りはロスカットの心配がないのがこのレバレッジだからです。現金をたくさん持っていたり、暴落を恐れないならば、もっとレバレッジを高くしてもいいと思いますし、リーマンショック級にも耐えたい場合には、レバレッジを2倍程度にするといいでしょう。

まとめ


 いくつか注意点はありますが、レバレッジの資金効率のよさは魅力的に思っていただけたのではないかと思います。投資信託と比べると一回に必要な現金の額も大きくなりますが、興味を持った方は是非やってみて下さい。

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