車ではなくバイクに乗って固定費を節約する




 こんばんは、おーたむです。


 お金を貯める上で重要となってくる節約ですが、「電気をこまめに消す」、「1円でも安いスーパー」を探すといったことよりも重要なのが、毎月必ず出ていく固定費の削減です。固定費の中には、家賃(住宅ローンの返済)、光熱費、通信費といったものがあり、どれも上手に削れば、毎月必ず失われるはずだったお金が手元に残るようになるため大きな節約効果につながります。
 通信費で、スマホの料金を節約するために、大手キャリアから格安SIM(MVNO)に乗り換えるといったことは、ネットをさまよっているとしばしば見かける有用な節約方法です。実際、私も格安SIMでスマホを利用しています。

 格安SIMの話もいつか書きたいと思っていますが、今日書くのは移動手段にまつわる固定の節約についてです。
 都会に住んでいれば、車を持たずに自転車や電車で通勤や買い物をするのが最も節約効果が高いと思いますが、地方都市や田舎に住んでいる場合には、職場やスーパーが家や駅から離れていたりして、自転車や電車だけで暮らすのはなかなか難しいところがあります。バスを使うというのも手ですが、たいてい本数が少なかったり、本数がそれなりにあっても、マイカーで移動したほうがかなり速かったりして使い勝手が悪いことも少なくありません。
 というわけで、都会以外に暮らす場合、車の所有はほぼ必須と言っていいですが、車を持つと、車の購入費、税金、ガソリン代、オイルなどの整備費など、枚挙にいとまがないくらいお金が飛んでいきます。そこで、車ほどの維持費はかからないわりに利便性が高いバイクという存在が個人的には節約の上で重要になってくるのではないかと思います。今回はバイクについてよく分かっていない人のために、免許と分類の話をします。

バイクの免許と種類


 バイクは危険だとか不良が乗るものだとか、そういった意見もあるかと思いますが、そのへんのことはあとにするとして、そもそもバイクにはどういった種類があって、どんな免許が必要なのかを見ていきましょう。

原付(一種):排気量50cc以下


 バイクについてよく知らない方でも、いわゆる原付(原チャ)についてはご存じの方が多いと思います。町中で一番よく見かける小さなバイクがこの原付です。
 実は原付には排気量50cc以下の原付一種(いわゆる原付)と51~125ccの原付二種がありますが、これらは似て非なるものです。

 原付一種は、原付一種のみ乗ることができる免許もありますが、普通自動車免許を持っていれば乗ることができます。したがって、普段車の運転をしている人は、原付一種を購入すればすぐに乗ることができます。最大のメリットは、この「新たに免許を取る必要がない」ということだと思います。
 金銭面でもメリットがあります。
 まず、バイクの値段そのものが安いです。Hondaのホームページの原付一種の項目を見ると、タクトという車種は、新車で買っても165,240円です。ネットを探せば中古のバイクはたくさん売られており、それほど走行距離が大きくないバイクなら長く乗ることもでき、新車に比べて安いですから、実際はもっと安く買うことができるでしょう。
 税金面でも、年に一度2,000円の軽自動車税を納めればよいだけです。
 保険は、自賠責保険(強制保険)が12ヶ月契約で7,500円、36ヶ月契約で12,340円です(長く契約するほど1年間あたりの保険料が減ります。詳しくはこちらを参照)。任意保険は、例えばチューリッヒの一例では年7,000円となっています。
 ガソリン代は、先ほどのタクトでは燃費が58.4km/Lと記載されています。自動車に乗っている人からすると衝撃的な燃費かと思いますが、原付一種や次に説明する原付二種では燃費が比較的悪い車種でも30km/Lくらいはありますので、ガソリン代も節約できます。
 オイル交換は、私は2,000kmくらいごとに行っていて、1回あたり数千円です。
 最後に、車では2年ごとにある車検が原付にはありません(正確に言うと250cc以下のバイクにはありません)。そのため、その代金も節約することができます(といっても1年に1回は自主的に点検は受けていますが…)。

 すべて総合すると、車両の購入費を除いた維持費は、1年間あたり45,000円くらい(1ヶ月あたり約4,000円)でしょうか(年間5,000km走行。1年に1回1万円の点検を受けると仮定)。普通車に乗っていると、任意保険だけでこのくらいなくなる場合もありますから、いかにお得かが分かるでしょう。

 といっても欠点もいくつかあります。
 一番左側の車線を必ず走行しなければならないこと、原則二段階右折をしなければならないこと、法定速度が30km/hであることが挙げられます。どれも、道路を走る上でそれなりのストレスになってきますので、無視できない欠点ではあります。
 これらの欠点のほとんどを解決するものが、これから説明する原付二種です。

原付二種:51~125cc


 正確に言うと排気量が51~90ccのものと91~125ccのものにさらに細かく分けられますが、ナンバープレートの色が黄色なのかピンクなのかくらいしか差がないので、細かい分類は気にしなくていいです。

 原付二種は一言で言えば、原付一種の上位互換です。
 最大のメリットは、原付一種の義務である、左側の車線走行、二段階右折、30km/hの法定速度のすべてがないことです。つまり、自動車と同様にどの車線を走ってもよく、右折レーンから普通に右折してよく、法定速度も60km/hでよいということです。自動車との違いは、高速道路と自動車専用道路が走行できないことですが、街中を走る分には最強の乗り物といってよいでしょう。
 税金も、90cc以下は年2,000円、91~125ccは年2,400円です。自賠責保険の値段は一種と同じです。任意保険の値段、ガソリン代、オイル交換代はほとんど一種と大差ありません。
 さすがに車両価格は多少高くなります。例としてHondaのディオ110は新車で231,120円となっています。

 この情報を知ってしまうと、原付二種ではなく原付一種に乗るメリットはほとんどないことに気付くでしょう。

 欠点は、上にも書いたように高速道路と自動車専用道路を走行できないことです。すなわち遠出には向きません。
 そして最大の欠点は、バイクの免許が必要になるということです。 最低限必要となるのが、AT小型限定普通二輪免許です。この免許では125cc以下のバイクのうちオートマチック車にのみ乗ることができます。
 免許取得の方法はこちらに詳しくまとめられています。一般的には教習所に通って免許を取ることになるでしょう。すでに自動車免許を持っている人の場合、教習所に4日ほど通う必要があり、一般的に免許取得には10~15万円程度かかります。このあたりは、原付二種に乗るハードルを高くしていますね…。

安くバイクの免許を取ることはできないのか


 免許取得に10~15万円もかかるのはなかなかの負担です。対策としては、試験場でダイレクト受験をするか、京都市内の自動車教習所を利用するといったことがあります。

 試験場でダイレクト受験をし、1発で合格すれば最安で免許を取得できますが、正直なところオススメしません。初心者が1回乗っていきなり高い運転技術を試験官に見せることはまず不可能だからです。

 学生や1週間程度の休みが取れる方は京都市内にある、ニュードライバー教習所、または、伏見デルタという自動車教習所での免許取得をオススメします。関西圏に住んでいなくても問題なく免許が取れます。ここで免許を取得すれば教習料金は4万円程度で済むため、一般的な教習所の半額以下の料金で免許が取得できます。関西圏以外に住んでいたとしても、宿泊費用や移動料金を考えても地元で取るよりお得です(今後、東京~京都・大阪のお得な移動方法について記事にまとめる予定ですのでご期待下さい)。ついでに京都観光もできるため、一石二鳥といってよいでしょう。
 なぜ、この2つの教習所だけが異様に料金が安いのかはまったくもって不明ですが、免許取得は問題なくできるのでその点はご安心下さい。


軽二輪:126~250cc


 軽二輪が原付二種と大きく異なるのは、高速道路や自動車専用道路に乗れる点にあります。したがって遠出に使うことができるのです。車検が必ずしも必要でない点も経済面で言えば魅力的です。税金も年3,600円なので、コストパフォーマンスに優れます。
 自賠責保険は12ヶ月で8,650円(36ヶ月で15,720円)、任意保険はチューリッヒの一例を見ると13,220円(車両保険なし)と、原付二種に比べると少し高くなっています。

 任意保険の点で重要なことがあります。実はすでに両親もしくは自分が自動車の任意保険に加入している場合、その保険にファミリーバイク特約というオプションを付けることにより、原付一種・二種は、通常の任意保険に比べて格安で任意保険に加入することができるのです。保証内容は自動車の任意保険と同様です。しかも、万が一原付で事故を起こしたとしても保険の等級に影響がないというメリットもあります。
 当然ですが、軽二輪はこのファミリーバイク特約の対象外ですので、素直に任意保険に入るしかありません。このファミリーバイク特約は、原付のコストパフォーマンスをさらによくする理由になっていますので、軽二輪は、高速道路を利用できる代わりに、原付二種と比べるとどうしてもコスト面で劣ってしまいます。

 さらに、原付二種と比較して車両価格が高くなってしまうのもデメリットです。例によってHondaのラインナップを見ると、一番安い軽二輪はPCX150という車種です。燃費は46.0km/hと原付二種に引けを取りませんが、車両価格が373,680円と一気に10万円以上高くなりました。この10万円を高速道路を使うための犠牲と考えられなければ、原付二種をオススメします。
 また、免許も原付二種で使えた小型限定普通二輪免許では乗ることができず、普通二輪免許(いわゆる中免と呼ばれるものです)が必要となります。 免許取得費用が高くなり、教習期間も長くなるので注意が必要です。

 まとめると、高速道路に乗れたほうがいいのかどうかが、原付二種と軽二輪の差のすべてと言っていいでしょう。遠出は電車かカーシェア、レンタカーと割り切るなら、原付二種で十分かと思います。

中型二輪:251~400cc / 大型二輪:401cc以上


 251cc以上のバイクはもはや趣味の領域なので、簡単に説明します。
 普通二輪免許(中免)で乗れるものは、400cc以下のバイクであり、401cc以上のバイクに乗りたい場合は、大型二輪免許が必要となります。多くの自動車教習所で、普通二輪免許をまず取得してから、大型二輪免許の取得の教習が始まるので、最初からいきなり大型二輪免許を取ることは難しいです(そもそも400ccのバイクを運転できないと、大型バイクの運転はかなり難しいと思います)。
 これまで見てきたように車検が必要となります。税金は251cc以上は一律で年6,000円です。車両価格、維持費は原則排気量が大きくなるほど高くなります。

 軽二輪以下のバイクに乗ってみて、もっと大きいバイクに乗りたいと思ってから乗ったほうがいいでしょう。

結局どれに乗るのがいいのか


 すでに書いてきましたが、 高速道路を使いたければ軽二輪、そうでないなら原付二種というふうに選べばいいと思います。

バイクに乗るのは危険ではないか


 どうしてもタイヤが前後に1つずつしかない都合上転倒のリスクがあり、さらに、仮に交通事故に遭った場合、高確率で大ケガをしますので、それなりの対応が必要となります。

 ケガを防ぐのに、最も重要なことは安全運転を心がけることが大切です。
 バイクに乗ると加速性能がいいため、どうしてもスピードをかなり出したくなります。また、特にすでに乗っている人は分かると思いますが、いわゆる「イキった」運転をしがちになります。しかし、そこはぐっとこらえて丁寧な運転をしないと、本気で命を失うことになりますので注意が必要です。

 初期費用が高くなってしまいますが、仮に事故に遭ってもケガを軽減できる装備も重要です。フルフェイスヘルメット、ライダースウェアはもちろんのこと、胸・背中・肘・膝などのプロテクターがあるとより安全になります。特にヘルメットは、その値段が命の値段とも言われますので、お金を惜しまないほうがいいと思います。

 とはいっても、どんなに気を付けても事故が向こうからやってきたり、不測の事態が起こって転倒したりすることもあるかもしれません。バイクに乗る場合はそのことを肝に銘じておく必要があります。言い方は悪いですが、命を賭けた節約術とも言えるかもしれません。わりに合わないと思う方は、素直に自動車に乗るという選択肢を選んだほうがいいと思います。

オススメ車種


 ここでは、コストパフォーマンス、安全性に特化してオススメの車種を書きたいと思います。

PCX(原付二種) / PCX150(軽二輪)


 燃費のよさ、走行性能、利便性、かっこよさを兼ね備えたHondaの名車で、しかもシリーズに原付二種、軽二輪の両方を用意しているあたり狙っているとしか思えません。日常使い、旅行(ツーイング)のどちらにも使用できるでしょう。欠点は”やや”車両価格が高い点ですが、それを補って余りあるメリットがあります。 オートマチック車なので操作も簡単、まずバイクに乗ってみようという方、すべてにオススメできます。

 PCXの詳細についてはHondaのホームページをご覧ください。

トリシティ125(原付二種) / トリシティ155(軽二輪)


 安全面を最重要視する方には、YAMAHAのトリシティシリーズがオススメです。このシリーズの最大の特徴は、前に2つ、後ろに1つ、合計で3つのタイヤがあることです。簡単に言えば三輪車なわけですが、二輪免許がないと乗ることはできません。
 燃費、走行性能はPCXシリーズに劣りますが、こちらも日常使い、ツーリングのどちらでも活躍してくれるでしょう。PCXシリーズと同じく、原付二種、軽二輪があり、オートマチック車である点も同様です。この独特のデザインは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、そのデザインのおかげで、ツーリング先では注目の的になること間違いなしです。
 前が二輪であるため、転倒のリスクが限りなく低くなります。というのも、バイクでの転倒はたいてい前輪がスリップして起こるものだからです。

 欠点は前を二輪にした分車両価格が高くなったことと、タイヤが1つ多いのでその分維持費も高くなったことです。

 詳細はYAMAHAのホームページをご覧ください(トリシティ125/トリシティ155)。

まとめ


 今回はバイクに乗ることで固定費を節約する方法を書きました。興味を持った方は、近場でも京都市内でも構いませんから、まず免許を取りに行ってみるのはいかがでしょうか。

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